SAKE DICTIONARY
火落ちとは
読み方:ひおち別表記:火落菌/火落ち菌分類:製法・造り
火落菌という乳酸菌の一種が酒の中で増殖し、白濁して酸っぱく変質すること。アルコールに強い厄介な菌で、これを防ぐのが火入れの主な目的。
火落ち(ひおち)は、火落菌(ひおちきん)と呼ばれる乳酸菌の一種が酒の中で増殖し、酒が白く濁って酸味と異臭が出る変質のことです。火落菌はアルコールに強く、度数15度以上の酒の中でも生きられる厄介な菌で、酒造りの歴史では最大の敵のひとつでした。
火落ちを防ぐために行われてきたのが火入れ(加熱殺菌)です。60〜65℃前後に加熱すれば火落菌は死滅し、酵素の働きも止まるため、酒は安定して貯蔵できます。江戸時代の蔵人は経験から「火入れをすれば火落ちしない」ことを知っており、パスツールの低温殺菌より数百年早く実践していました。
現在は衛生管理の進歩で火落ちはまれになりましたが、生酒の温度管理が徹底されるのはこの菌の存在があるからです。
執筆:SAKEJOURNEY編集部 / 最終更新:2026年9月28日